気になる本
「挫折を経て、猫は丸くなった」 天久聖一 編集

 「春が二階から落ちてきた。」
 これは伊坂幸太郎の小説『重力ピエロ』の書き出しの一文です。この一文を、「春の季節が来た。」というような意味の文章と捉えることもできますが、実際には主人公の弟の春という人物が二階から落ちてきたという意味の文章として書かれています。このように、小説の書き出しの一文は読者の捉え方しだいでその先の様々なストーリーを想像させるものだと思います。その書き出しだけを集めた本『挫折を経て、猫は丸くなった。』(天久聖一編集)が最近読んだ本の中で面白かったのでご紹介します。
 インターネットのサイトで募集された、一般の方が考えた小説の書き出しが集められているのですが、書き出しだけしか与えられていないので、その先のストーリーを自分なりに想像するのがなかなか面白いです。 
 「カナブンが一直線に飛んできた。私のファーストキスだった。」このような書き出しが全部で416個集められています。是非読んでいろんなストーリーを想像してみて下さい。

文責
藤井 健斗
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